モバイルビジネス研究会提言への疑問
独立すると色んな方から色んなお話をいただく
特にオフィスが大手町から徒歩5分くらいなので古巣の興銀つながりの人脈が復活している
必然的にモバイルだけの話からM&Aや金融関連、ベンチャー投資などのお話も舞い込む
古いビルだが広さは30坪以上あるのでサロンのようになっていてそこで色んな人々が名刺交換していくようなところになっている バーでもやっているかのような錯覚も^^ 一応飲食の許可も取っているのでお酒も出せます 私は飲みませんが。。。
IT系の経営者から重厚長大系の会社の重役さんから国会議員さんまでゴチャゴチャだがみんな優秀で良い人ばかりなのですぐ友達の輪が広がっていく
そこから新しいビジネスの輪も出てくる新規事業は(ってまだ会社が出来たばかりですが 汗) サロンにしよう!! 笑) とか思ってしまうくらいだ
ビジネスも政治も恋愛もすべてヒトとヒトのつながりから生まれるので明治大正時代のサロンのような交流の場があってもいいかもしれないと本気で思う
銀座のMとか財界人が一晩○万円で集うのも
わかるような気がしてきた まぁうちはタダですけど 笑)
でちょっと最近腹のたつことをひとつ
たわごとですので流していていただいていいのですが
私は総務省のモバイルビジネス研究会の意見について
大いに疑問をもっています
モバイルビジネス研究会の報告内容は簡単にいえばふたつ
ひとつは日本の端末メーカーの国際競争力が落ちたのは通信キャリア
が販売奨励金を出して保護してしまったこととキャリアの言いなりだったこと
によるから販売奨励金を無くして(あるいは減らして)競争力を高めようという提言
もうひとつは長く端末を使っている人は 短期で販売奨励金を利用して端末を買い換える人に較べて損をしていることになる(負担している)ので 販売奨励金を無くして通信料と端末見合いのコストを明示することによって通信料を下げようという
提言であると思う
確かに欧米に比較して2−3倍といわれる通信料を下げるようにすることは必要だと思うし大賛成である
しかしこれは販売奨励金だけの問題か疑問である 総務省の通信行政
新規参入の政策の問題もあるような気がしてならない
一つ目のメーカー保護政策については 完全に時代おくれの感がする
富国強兵の名残りのような昭和の時代の 官民一体でメーカーを育成して輸出産業にしていたあの頃のようだ
IBMはもうすでに中国のレノボーになっている時代にハードウェアだけを
日の丸ニッポンで育成しようとしているのはIT時代の市場環境、競争環境を
完全に誤認しているのではないか?と思ってしまう
もちろんメーカーが世界で頑張って欲しいという気持ちは強くもっている
しかしGOOGLEがトヨタの時価総額を抜く時代における日本の歩むべき
道は端末メーカーの育成なのだろうか?
寧ろ日本が誇るケータイの本当のすごさはその組み込み系のソフトウェア
技術(小さいものを作る日本のお家芸だと思う)やビジネスモデルであって
ハードとしての端末も世界に比肩してすばらしいもののちょっと観点が
ずれているといわざるを得ないのではないか?
販売奨励金の是非は孫さんのいうとおりクルマを買うのにローンで買おうが
キャッシュで買おうがそんなの関係ない!という自由論に賛成だが
正しい情報(販売奨励金見合いと通信料にわける)はユーザーとしての
権利として提供すべきと思われる
今国際競争力を考えるときに本当にモバイルビジネスで議論すべきは GOOGLEに勝てるような企業 ミドルウェアの企業の育成でありそこが日本が一番進んでいる分野でもあるのに誰も何も言わないのはなぜだろうか?
販売奨励金がなくなると買い替え時期が長くなり今まで世界の最先端を走ってきた
日本のモバイル業界の強さのひとつであるミドルウェア会社の弱体化が
起きる危険がある
2年経てばほとんどの端末が切り替わるので新しいサービスが
普及しまた更に次のサービスが生まれる土壌があったのだが、それが揺らぐ可能性が高い 必然ミドルウェアの組み込み系会社の収益は悪化し今度は新しい研究開発が少なくなり負のスパイラルになっていく危険が極めて高い
もちろん不要な機能も多いというご指摘もあるのも事実だがそもそも新しいサービスが出てこなくなり普及に時間がかかるようになることは日本のモバイルビジネスの
崩壊につながる危険があることをこの研究会は見抜いていないといわざるを得ない
のではないか?
販売奨励金廃止は一面では賛成だがこうしたもっと長期のビジョンをもった
あるいは理解した人間が議論しないとアメリカのように10年後はモバイル後進国
になってしまっているかもしれないと危惧している
でも本当に日本の産業構造はどんどん変化しているのにも
かかわらずメーカーメーカーというのはいかにも時代が古いと思います
販売奨励金がなくなって一番損するのは実はメーカーである可能が
高いと思っているのも事実です
ケータイ料金が早く安くなればいいな〜と願います